こんにちは。
西内啓さんの「理系男子のための恋愛の科学」の簡単な内容あらすじと、個人的な感想を書いていきます。
お付き合い下さると幸いです。
目次
著者、西内啓さんとは?
本著の著者、西内啓さんは、統計学が専門の先生。
東京大学の医学系研究科医療コミュニケーション学の助教授でもあります。
また、本著の後に出版された『統計学が最強の学問である』は40万部を超え、アマゾンでも250件以上のレビューが付いている、ビジネス書大賞受賞のベストセラー作家。
恋愛においては、学生時代はまったくモテなかったそう。
それについて、こう書かれています。
どれくらいモテなかったかというと、たとえば中学時代は生徒会長とバスケットボール部のキャプテンを兼任する、という少女マンガだったら絶対にモテていても不思議ではない立場にいたのに、それでもまったくモテませんでした。
__著書より
生徒会長やバスケ部の部長って、勝手にモテるイメージでいたのですが。
お、おう。それでもモテないのか。。
その悩みをきっかけに、大学生になって「人間」を理解しようと学問の世界に没頭。
学問の知識と、「とびきり美人で聡明な奥さん」と結婚できた経験をベースに、モテの理論を書かれたわけです。
科学の公式を、恋愛に当てはめて考える本
西内先生は統計学が専門ですが、その1点にこだわらず、広い観点の「学問の知識」から、恋愛に使える情報をピックアップし、彼女を作るまでの道を解説してくれています。
かなり簡潔なまとめになりますが、それを紹介しますね。
1.瞑想をする
人間には3つの愛着のタイプがあるそう。
・回避型:他人と距離を置きがち
・矛盾型:他人が自分といたくなのでは?と心配になる
この中で、「安定型」になると、幸福感を感じやすくなり、恋愛が上手くいきやすくなる。
安定型になるための方法として、「愛と優しさのメディテーション」を推奨しています。
ごく簡潔に書くと、
→温かく優しい感情を持ってる誰かを思い浮かべる
→彼らに対し「幸せでありますように」などの言葉をかける
→優しい感情が沸いてきたら、今度は自分自身を慈しむ
→その感情を他人に向ける
→時間が経ったら「自分はいつでもこの素敵な感情を持てる」と確認する
→これを毎日続ける(最初は10分。理想は25分)。
という感じ。
ポジティブ心理学がベースの方法で、医学の世界でも取り入れられてるもの。
医学研究科の西内先生らしい方法ですね。
2.自分がモテやすい市場を知る
ここではマーケティング用語の「セグメンテーション」という言葉が出てきます。
セグメンテーションとは、市場を特徴的な集団に分けること。
例えば、「20代の共働きしている女性」「30代の趣味に没頭している女性」など。
その中で、どの分類の女性にならモテるのか分析するのが良いと。
ビジネスにおいての公式は、
これを恋愛に応用しています。
ごく簡潔に言うと、「どんな層の女性にならモテるのかを知り、そのニーズを満たす魅力を持つ」ということ。
その上で、どんな女性の分類があるのか調べる方法として、「書店に行って、どんな女性誌があるかチェックする」ことを推奨。
雑誌の中で、頑張れば自分でもなれそうな男性を好んでいる女性の層を知り、その仮説が正しいのか、知人の女性に聞いてチェックする。
間違っていたら、再度検証をし直す。
理屈としては分かりますが、これは実践するのはかなり難しい…。
3.「イケメンごっこ」をする
イメチェンをしたり、モテる人間として振る舞うのは大変だし勇気がいる。
なので「イケメンになるんじゃなく、イケメンごっこをしてみよう」とあります。
翌日会う友達に「明日イケメンごっこをする」と宣言し、その日で会う人に対し、イケメンとして気さくに話しかけてみようと。
そして、自分が必要とされそうな女性がいる環境に飛び込み、イケメンごっこしながら親しくなる訳です。
4.コミュニケーションの基本は、受容・共感・傾聴
話をする上で、相手を受け入れ、共感を示し、相手の気持ちに寄り添って聴くこと。
姿勢や表情、相槌や視線にも気を配ってコミュニケーションを取ろうと。
そして質問は、「はい/いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンではなく、「どう?」「なぜ?」などの5W1Hのオープンクエスチョンで聞くこと。
実際に「こういう時にどう思っているか」など、日々女性にリサーチしておく。
5.相手のニーズと自分の強みを合わせた、デートプランを立てる
デートプランを考えると同時に、自分はどんな役割を果たし、相手の目にはどう映るのかを戦略的に考える。
デートを誘うにも、必ずしも
というやり方でなくて良い。
という流れの方が良い。
「新鮮で素敵なこと」を多く知れるように、テレビなどでそういう情報を見かけたら、ネット検索をして知っておく。
何かきっかけを作って、そこから連絡先を聞くのは良いと思います。
ネット恋愛の場合は、いきなりデートの話題を出すのは基本NGですが、リアルの関係であれば良いですね。
端折った部分も多いですが、概ねこんな内容でした。
著書を読んだ感想
まず、本著を読ませて頂いた感想を簡潔に言うと、「書いてあることは正しいけれど、恋愛初心者がすぐにできる部分は少ない」というところ。
そのあたりを、具体的に掘り下げていきますね。
1.25分の瞑想を毎日は難しい
イメージワークに近い瞑想を、最初は10分、できれば25分続けようとありますが、始めにこれは少し難しめだなと思いました。
といってもこれは、「時間がかかる」「少々面倒」というだけで、能力の高い低いは関係ないので、やればできるとは思います。
ただ、大変なものがこれだけでなく、立て続けに出てくるので、この段階で挫折してしまう人も多いのでは?と危惧してしまいます。
2.「イケメンごっこ」は頑張りすぎに注意
「イケメン」にはなれなくても「イケメンごっこ」をして過ごすというのは、面白いアイデアだと思いました。
ただ、イケメンの例として「超フレンドリー」「基本何でも超褒める」などを挙げているんですが、いきなりやりすぎるとスベります。
というのも、自分の素材を活かした方法が良いのであって、「自分とは別方向の誰かになる」のは、背伸びが過ぎますし、どこかで疲れてしまいます。
例えば、大根でおでんを作ろうとすれば美味しいですが、スイーツに大根を使ったら台無しですよね。
あくまで自分に合った方向性で、頑張りすぎない程度にやるべきでしょう。
僕が推奨している、城咲仁さんの「今からモテにいくぞ!」ではそのあたりについて、
・「最初は持ってる引き出しは少なくて当たり前。少しずつ増やしていけばいい」
とし、引き出しを増やせるようなことを具体的に指南しています。
この後も、「イケメンごっこをクリアしている君であれば」という前提で話が進むのですが、結構難しいし危険。
「参考にできる部分は真似てみる」くらいが良いかと。
3.女性誌を読んでの分析は、研究熱心な人向け
好みの女性が表紙の女性誌を購入し、分析。
そこで生まれた仮説を知人に確認して回り、間違っていたらもう一度やり直す作業。
たしかに、研究が好きな人なら楽しくできるかもしれません。
そういう意味で「理系男子のための」というタイトルは合っています。
もう少し補足すると「研究や分析をするのが好きで、それを恋愛で実践してみたい男子」向けというところ。
(もちろん、そんな長いタイトルでは発売できないので、仕方ないことなのですが)
僕も本書を参考にやってみましたし、たしかに得られるものはありました。
普段読まないジャンルの雑誌を読むことで、たしかに女性に対して見える幅は広がります。
著書にはこう書いてあります。
狙うターゲットセグメントがオシャレカフェを好んでいるようならば、オシャレカフェでバイトできないか、求人を探してみましょう。
SNSで参加者を広く募っているようなイベントが狙い目だと思ったら、とりあえずメッセージを送ってみましょう。
ダンスのレッスンに行っているようだったら、一度体験レッスンを探してみましょう。もしかしたら今まで経験したことのない男女比の差に臆するかもしれませんが、大丈夫です。
みなさんはすでにイケメンごっこを体得して、見知らぬ店員さんにだって素敵な挨拶ができるようになっているはずです。
これができるようになり、かつ新しい環境に飛び込んでいける人であれば、もちろんチャンスはあると思います。
少々難しめですが、たまたま新しい仕事を探してるタイミングとか、いろんなイベントに参加したい時なら丁度良いですね。
読んでいて「できる」と感じるのであれば、良いとは思います。
ただ、女性ばかりが集まる場所にポンと飛び込んで、イケメンキャラで振る舞うって、前提がちょっと難易度高すぎでは(汗)。
自分で分析するより、すでにリサーチ済みの情報を使う方が早い
もう1つ弱点としては、女性誌を読まない層もいるので、女性誌だけで全てを網羅はできないこと。
でも、「こういうタイプの人は、こういうものが好きなのかも」と予想を立てていく行為は、積み重なると役立ってきます。
かなり研究熱心であり、かつ知人女性に「こういう女性ってこういうのが好きなの?」と何人にも調査して回れる人ならOK。
でもそういう人って、かなり少ないと思います。。。
質問した女性が、女性としての平均的な感覚を持ってるとも限りませんし、結構な数の女性たちに聞いて回らないと、あまり正確な情報は取れないかと。
それならば、すでにたくさんの女性たちにリサーチした書籍や恋愛教材を読むほうが、はるかに効率が良いと思います。
評価レビュー
あらためて、僕が思う評価をつけていきます。
内容の分かりやすさ
[star35] 3.5/5.0
文章自体は読みやすいし分かりやすいです。
その上で、「恋愛を、より分かりやすくしているか」というと、そうではないと感じました。
マーケティング等の専門用語がいくつか出てきて、それを応用する内容なので、恋愛を分かりづらくしている印象。
恋愛を科学する発想自体は好きですし、全体的に読みやすくはあるので、そこまで低い評価にはしていません。
彼女を作りやすい方法か
[star3] 3.0/5.0
「この法則に上手にハマれば上手くいく」とは思います。
最終章では、それで上手くいった方の事例を日記形式で紹介していますが、成功する人がいるのはうなづけます。
ただ、やることが中級~上級者向けだと感じました。
オクテな男性が、いきなりやるのは大変ですし、それが「恋愛の成長」になっているかというと、それも難しいところ。
「科学を実践する科学者としての成長」はあるでしょう。
そういう意味でも、タイトルの通り「理系男子のための」という内容です。
ネット恋愛に対応してるか
[star35] 3.5/5.0
実践例では、ネット上でSNSを使ってイベントに参加する様子が描かれています。
マーケティングを上手に使うことで、オンライン上で自分好みの女性の目星をつけ、探すことは可能。
使える部分はたしかにあります。
初心者でも再現可能か
[star2] 2.0/5.0
上記にいくつか書いた通り、初心者が行うにはなかなか難しい内容。
もう少し簡単な方法を僕は推奨しています。
誠実で紳士的なノウハウか
[star4] 4.0/5.0
別に「これで100人斬りをしよう」みたいなコンセプトじゃないので、特に不誠実さは感じませんでした。
その上で、「すごく誠実な対応」「一歩進んだ気遣い」なども感じなかったので、このくらいの評価。
総合評価
[star35] 総合評価 ☆3.2/5.0
[star4] 内容の分かりやすさ ☆3.5/5.0
[star2] 彼女を作りやすい方法か ☆3.0/5.0
[star3] ネット恋愛に対応してるか ☆3.5/5.0
[star35] 初心者でも再現可能か ☆2.0/5.0
[star45] 誠実で紳士的か ☆4.0/5.0
終わりに
面白い切り口で、良い内容だと思いました。
ただ全体的に「恋愛を難しく考えすぎでは?」とも感じます。
同じ「やり続ければ成功する」方法なら、20回目で成功するより、3回目で成功する方法の方が価値は高いですよね。
僕は恋愛において、知識を得ることは大事だと思っています。
でもそれは、「知識があった方が成功率が上がり、行動しやすくなるから」です。
その知識が行動しづらいものだったり、難易度が高くて成功しづらいものなら、むしろ逆効果。
もっと行動がしやすくなるような知識を入れることを、個人的にはオススメします。
城咲仁さんの「今からモテにいくぞ!」は、もっと行動しやすくなる簡単なことから教えてくれています。
もちろん「何の努力も無しにモテる」なんてことはありませんが、行動さえすれば、ある程度の近道もできるやり方。
内容もいたって誠実です。
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